日本政策金融公庫には、開業・起業・独立を予定する人を支援する「新創業融資制度」があります。開業したり、起業したりする場合、これまでの実績がないために、民間の金融機関からは融資を受けにくいのが現状です。しかし、事業を始めるにあたっては資金が必要であり、開業、起業時にぜひ利用したいのが日本政策金融公庫の新創業融資制度です。
今回は、日本政策金融公庫の新創業融資制度についてご説明します。
日本政策金融公庫とは政府系の金融機関であり、新創業融資制度は、開業したり起業したりする人を支援する目的で創設された制度です。
新創業融資制度は、原則として無担保・無保証人で融資を受けることができます。そのため、代表者個人に責任が及ばないというメリットがあります。また、法人が利用する際には、代表者が連帯保証人となれば利率が0.1%低減されます。
しかし、新創業融資制度は、単独で利用することができない点に注意しましょう。新創業融資制度を利用する場合は、日本政策金融公庫の他の融資制度と併用する必要があります。
日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用できる人は、次の要件を満たす人です。
・新たに事業を始める、または事業開始後税務申告を2期終えていない人
・新たに事業を始める、または事業開始後税務申告を1期終えていない人は、創業資金総額の1/10以上の自己資金を確認できる人。ただし、所定の条件を満たす場合は自己資金の要件を満たすものとしてみなされます。
新創業融資制度の融資の使途は、新たな事業開始のため、または事業開始後に必要とする設備資金及び運転資金としての利用に限定されています。
3,000万円(そのうち運転資金は1,500万円)
新創業融資制度は、単体で利用できることはできず、他の融資と組み合わせて利用できるものです。日本政策金融公庫が提供している融資制度には、新創業融資制度以外にも新規に開業・起業・独立する方を支援する次のような制度があります。
新規開業資金は、新たに事業を始める人や事業開始後おおむね7年以内の人が利用できる融資です。新規開業資金は事業開始後、税務申告を2期終えていない人が対象である新創業融資制度と異なり、事業開始後7年以内であれば利用できるという点に違いがあります。
また、融資限度額は7,200万円(そのうち運転資金は4,800万円)ですが、原則として担保・保証人の設定が必要になります。
新たに事業を始める人や事業開始後おおむね7年以内の人のうち、女性、または35歳未満か55歳以上の方が利用できる融資制度です。融資限度額は新規開業資金と同じ7,200万円ですが、特別利率が適用され、より良い条件で融資を受けられます。
新たに事業を始める人または事業開始後おおむね7年以内の人のうち、廃業歴のある人が営む法人であり、廃業の理由・事情がやむを得ないもので、廃業時の負債が新たな事業に影響を与えないと見込まれる人が利用できます。通常の新規開業資金よりも返済期間を長く設定でき、前事業にかかる債務返済のために資金を充当することもできます。
新たに事業を始める人または事業開始後おおむね7年以内の人のうち「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用中または適用予定の人で自ら事業計画書の策定を行い、中小企業経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けている人が利用できる融資制度です。特別利率が適用されます。
日本政策金融公庫の新創業融資制度は、開業や起業、独立を検討している人がぜひ利用を検討したい制度です。しかしながら、新創業融資制度は単独で利用することができないため、別の融資制度と併せて利用しなければなりません。上にご紹介した新規開業資金の融資も、日本政策金融公庫が定める要件によって利率が変わってくるため、ご自身がどの利率が適用されるのか分かりにくいこともあるでしょう。
Actvision税理士法人は、新たに開業する方や起業する方、独立する方のサポートを行っています。日本政策金融公庫の創業融資制度を利用したいけれど仕組みが分かりにくい、どの融資制度が自分に合っているのかが分からないといったお悩みを解決する無料相談を承っています。
まとめ
日本政策金融公庫の融資制度は、創業を検討している方にとって魅力的な制度です。しかしながら、融資の審査には創業計画書等の提出も必要であり、初めて起業・開業する人にはご不安なことも多いはずです。政策金融公庫の融資制度は、一度審査に落ちてしまうと6カ月間は再申請ができないという注意点があります。計画通りに開業・起業するためには、十分な準備を行ったうえで申請することをおすすめします。ぜひ、融資申請サポート経験の豊富なActvision税理士法人にご相談ください。